本日はコーヒーの作り方のうち「ブレンド」について書いております。
(当店のコーヒー豆の製法全体はMETHODタブを、店主の経歴はPROFILEタブを参照ください)
最近の米価格高騰により、安価な ブレンド米 がニュースになったりしています。
またご来店の方からシングルオリジンはどれか、もっとないのか?と質問を受けることがあります。
ブレンドって、適当に混ぜた安物なのでは?という認識を持たれている方がいるのでは、と想像します。
しかし食品であれ飲料であれ、ブレンドという追加工程をわざわざ入れる以上、何らかの理由があるわけで、手間を増やして高くする意味はありません。
「ブレンド」は、広範囲で適用できる非常に有効な技術で、価格と美味しさで言えば下記3通りの段階があります。
①安価イマイチ × 安価イマイチ ⇒ 安価で そこそこの風味
②並価そこそこ × 並価そこそこ ⇒ 並価で おいしい
③高価おいしい × 高価おいしい ⇒ 高価で 抜群においしい
もちろん、適当に混ぜて美味しくなるわけではなく、技術レベルによって風味の引き上げ幅は変わってきます。そこを各社が切磋琢磨しています。
最近の値ごろ感のある ブレンド米 の目的は、上記①②に該当するかと思います。
コーヒーならば、
・スーパーで売っている安価なものは上記①、
・自家焙煎店のセール品などは上記①か②、
・石原珈琲店は上記③
に該当します。
当店は、他店との差別化を図るため、2024年8月から全商品をブレンド豆としております。
シングルオリジンはブラジルとコロンビアがありますが、これらも焙煎度を変えた2つの豆をブレンドして風味の奥行きを出しています。 一度お試しいただくと、単一焙煎度の単調な味わいには もう戻れなくなります。
ブレンドに関する、確実性の高い情報は以下リンクでご覧ください。
https://coffee.ajca.or.jp/webmagazine/basic/roasting/
また1月にブログ掲載した「コーヒーインストラクター2級」でも学ぶことができます。
無料のWeb情報では、自身の興味に偏った情報しか出てきませんので、コーヒーを深く深く知りたい方、コーヒーうんちく を語りたい方は、ぜひお金を払って勉強されてください。
一方、コーヒーを美味しく飲みたい方、コーヒーの香り・味に癒されたい方は、勉強は必要ありません。 ある店で豆を買って、自分で淹れて、自分で飲んでみて、美味しかった豆を買い続ければ、ハッピーが続きます。(言葉で選ばず、試すことが大事です。専門店で相談してみるのが好みの豆に出会う早道と思います。)
また、あなたの「〇〇店の〇〇豆」が美味しいという情報で、ご友人も同じ豆を飲んでみることが出来ます。
しかし「グアテマラが美味しい」「モカが美味しい」という情報では、豆のグレードは?農園は?焙煎店は?焙煎度は?と不確定部分が多すぎて、ほとんど意味を成しません。
このブログを読まれるようなコーヒー好きの方であれば、ご友人からコーヒーの相談を受けることもあるかと思います。 その時に、ご友人が好みの味に近づけるような有益な情報を提供できるといいなと思います。
コーヒーに関する知識・技術を持つべきはコーヒー屋のほうなので、豆選びの際は遠慮なくご相談ください。
1発で好みの豆を提案、は難しいかもしれませんが、2~3回で提案できるよう真摯に取り組んでおります。
余談ですが、
ウイスキーでは、ブレンデッドウイスキーやシングルモルトウイスキーの区分がありますが、
その製造には、ブレンドを決める「ブレンダー」が重要な役割を果たしているそうです。
https://www.suntory.co.jp/whisky/yamazaki/yamazaki_club/006/
・同一醸造所内の、ある樽と別の樽との組み合わせ(サントリー山崎など)
・複数醸造所の、原酒の組み合わせ(ニッカ竹鶴など)
・モルト原酒とグレーン原酒の組み合わせ(一般的なブレンデッドウイスキー)
私・店主も、高品質ウイスキーのマスターブレンダーのように、高品質なコーヒーを作り続けてまいります。
今後もご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。